「菰野ピアノ歴史館」のこと

菰野ピアノ歴史館 開館の経緯と現状

楽器技術専門学校の技術研修所として15年前から学生の合宿に使ってきてましたが2年前のコロナ禍により合宿が出来なくなり研修所を閉じる事となりました。研修場には長年の間に蒐集した歴史的ピアノ40数台を保有し学生の教材などとしてきました、研修所と共に蒐集ピアノの処分をどうするかという局面を迎えました。
永年かかって蒐集したピアノを活用する事とし、広くピアノ愛好者の皆さんへ触れて、その時代のオリジナルな音を体感して頂く事や歴史的なピアノの音を後世に残す事とし、ピアノ歴史館を設立する運びとなりました。幸いにも多くのピアノ技術の皆さま方の技術的応援も大きく寄与しています。

菰野歴史館全景
(中部楽器技術専門学校の
元技術研修所)


ピアノ調律の学校を設立して42年になります、その間にヨーロッパを中心に集めたピアノには沢山の思いが篭っています。
ヨーロッパのミュージアム所蔵ピアノやオークションや楽器商やピアノ修復師等々から、度々の渡欧のたびに30数年間に集めたピアノなのです。

入り口で来館者を迎えるナポレオン型ピアノ【1920年製ペテルス独】
(オープン時にお花でデコレーションしました)
≪ラボコーナー≫
ピアノの中身を見学頂きピアノのしくみ(メカニック)を学習してもらいます


このミュージアム設立の誕生に至ったのはピアノ調律師たち仲間のボランテイア応援のあと押しがあった為に開館する事が出来ました。
永年にわたり蒐集して来た40台以上のピアノを私の晩年人生に修復する事〖ピアノ愛好者に提供しその時代の音を後世へ残す〗が夢でした。
皮肉にも2年前のコロナ禍のために急遽先送りの夢が昨年10月に実現しスタートいたしました、多くのピアノや音楽愛好家そして技術者の応援で緻密な計画の時間も無い中で見切り発車したわけです。
昨秋開館から3ヶ月が経ち多くの苦労と感動が背中合わせのように次々と湧いてきてます。
来館者から、歴史的ピアノが触って弾けて聴けるなんて夢のようですと感動・感激を沢山頂きます。

≪ピリオドサロンホール≫
今年のお正月はピアノとフルートとお琴のコンサート大好評でした【1944年製スタインウエイD274 独Italyライ放送局スタジオで使われてた】


それだけに来館者の方々がピアノを試弾される頻度が激しくピリオド(古典)ピアノは悲鳴を上げています、毎日の閉館後の時間や休館日にフル稼働の調律など技術に要するエネルギーを必要としています。

ピアノは生き物のようにメンテナンスなどの管理にかかる維持管理費は想定以上に必要の為これから先の維持運営をどのようにして管理していくかが大きな課題でもあります。
開館後は日本全国から見学希望の問合せを沢山頂いてます、ピアノ館はこれ程大きな反響で期待と注目を受けてます事は私の想定外でありました。
余生の趣味のつもりが中途半端で終われそうにありません。いつまで続けらるか解かりませんが老後人生に鞭打って少しでも愛好家のご期待に応えて行きたいと思っています

≪ピアノ工房(アトリエ)≫
現在修復中のピアノ工房を来館者に見学紹介

≪ピアノ工房(アトリエ)≫
館内レクチャーで一番人気の
コーナーです(ピアノの中身が
一目瞭然)

菰野ピアノ歴史館には私の元気と、執念で今のところ取り組んでいますが、当館の維持管理運営費が伴わなければ継続できません。

その為に来館者の方はじめ関係各位に広くご寄付等ご支援を頂いて運営を進めています。ご支援よろしくお願い致します

菰野ピアノ歴史館 館長
岩田光義(K.456)

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